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「黒色を思い浮かべてください。」
と言われたら、誰もがだいたい同じ色を
頭に思い浮かべているのではないかと思います。
黒色っていえば、黒色ですよね。
しかし
印刷で黒色を表現する場合、インキの配合値によって
ニュアンスの違う様々な 【黒】 を作ることができ
それによってデザインの印象も
ぐっと変わってくることがあるのです。
ところで。
リッチブラック
ってご存知ですか?
黒の中でも、スミ1色(黒/K)だけではなく
CMYKの4色を混ぜてつくる黒色のことを
【リッチブラック】と言います。
配合によっては単色の黒よりも濃く深い黒色になるので
デザイナーの方はよく使用する黒の表現かもしれません。
特に、濃い配合率の黒。
4色全てのインキが100%ベタの黒を、4色ベタともいいます。
黒を濃く出したいから
リッチブラック?
そうとも
限らない
⇒
リッチブラックは魅力的。
だけど、メリット・デメリットを
知っておく必要があります。
メリット
・黒を深く濃く見せることができる
・ピンホールが発生しても目立たない
・意図していないオーバープリントが
発生しない
デメリット
・見当ズレが起こる場合がある
・裏移り、ブロッキングなどの原因に
なる場合がある
少し余談を挟みましたが・・・
色々な黒色の中から、自分が思った通りの黒色の表現をしたい!
でもリッチブラックにすると
そのデメリットの方も気になるから、少しアドバイスが欲しい!
というデザイナーの皆様のために
検証
リッチブラックは、CMYK4色の配合値によって 色が違うというけれど、
実際の見た目はそんなに変わるの?
検証スタート
検証物
リッチブラック=4色の掛け合わせという定義の元、
◎スミ100%+CMY全色を6段階(1%/20%/40%/60%/80%/100%)
◎スミ100%+C100%orM100%orY100%+その他2色を6段階(1%/20%/40%/60%/80%/100%)
の21パターンをチャートデータにしました。こちらを検証物として印刷します。
紙による色の変化も見たいので、4種類の紙を選定
コート紙
OKトップ
コート+
上質紙
OKプリンス
上質
特殊紙
ヴァンヌーボV
スノーホワイト
マット紙
OKトップ
コートマットN
※ インキは弊社が使用しているオフセット用油性パウダーレスインキを使用
印刷結果
検証物を見ると、どの黒も全て違って見えるのがわかると思います。
単体で見ると「黒だ」と言い切れるものでも
並べて比較をする事で初めて、その違いが明確に見えてきます。
例えば
K100 C100 M20 Y20 のリッチブラックは
「紺だ」という人が多いかもしれないし、
K100 C20 M100 Y20 のリッチブラックは
「赤紫だ」という人もいるかもしれない。
「黒」と言っても その色の範囲は思っているより広いことがわかります。
(是非、実際の検証物をご覧になってください)
4種の用紙を使って、同一条件・同一データで印刷した検証物の比較
これは主観になってしまいますが、紙によってもちろん見え方は違いました。
例えば 【黒の濃さ】 という視点で言うと、 濃い方から
コート紙 > マット紙 > ヴァンヌーボ > 上質紙
と感じました(社員で見比べてみた意見です)。
これは実際に見ていただいて、様々な指標で比較していただきたいと思います。
補足事項
デメリットのところで触れましたが
リッチブラックは黒を濃く見せたり、ニュアンスを持たせることができますが
濃い配合にすると裏付き・ブロッキングなどの原因にもなるので注意が必要です。
↓
トラブルを防ぐために 一般的な印刷会社は200〜250% 程度の配合値を推奨しているようです。
(例 : CMY30~50%+K100%)
弊社は適した条件下であれば400%でも印刷できるので、どうしても・・・!
という際には、ご相談ください。
通常は黄色い破線内を裏付き危険範囲
とさせていただきます。
心配な場合は弊社までご相談ください。
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