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「メタリックカラーを使いたい」
ファンシーなイラストや、全体に高級感を出したい時など、
印刷における様々な場面でメタリックカラーが
表現の手助けをしてくれることがあります。
(ここでのメタリックカラーとは、金属的な光沢感がある色のことを言います)
メタリック用紙・メタリック箔・メタリックインキを
使用することで、印刷物にメタリックの表現ができます。
しかし種類・色数がある程度限られているので
微細な表現が制限されてしまう場合が多いです。
メタリック用紙にカラー印刷する事でメタリックカラーが表現できるなら、
メタリックインキの一つである【銀インキ】にカラー印刷を重ねる事でも
メタリックカラーが表現できるのでは?
と、思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
答えは「 YES 」 です。
ということで・・・
印刷物にメタリックカラーを使って微細な色合いを表現したい!
ある程度安価ならメタリックカラーを気軽に使いたい!という
デザイナーの皆様のために
検証
銀インキとCMYK4色のインキを重ねた
メタリックカラーを印刷して見てみよう。
検証スタート
検証
事前模索
まず銀インキとCMYK4色の刷り順による印刷再現比較テストをします。
オフセット印刷では、基本的にはK→C→M→Y→特色(銀など)の順番で印刷します。
※順番を変えると、用紙に乗るインキの量が変わって色再現が変化するため、印刷順は重要です。
今回せっかくの検証なので、CMYKのプロセスカラーと銀色を2パターンの印刷順で、
さらに様々な用紙に印刷し比較をしてみることにしました。
● 色数 5色(CMYK+銀)
● 用紙 5種( OK トップコート+ / OK トップコートマットN /
OK プリンス上質 / ヴァンヌーボV スノーホワイト / 紀州色上質黒 )
● インキ オフセット用油性インキ
● 印刷機 枚葉オフセット印刷機(菊半5色機)
こちらを検証物として表裏印刷します。
オモテ面の左端と、ウラ面の右端に記載している色の配合値を100%とし、
その色の100%~10%を10%刻みで左から順番に並べてたチャートになっています。
(オモテ面の左端と、ウラ面の右端のみ、銀を印刷しません)
事前模索結果
CMYKのカラー印刷の上に銀を重ねて刷ると、下の色がほんのり透けて見えているのがわかります。
銀インキは不透明というイメージですが、若干の透過性がありました(これはインキの盛り量などによっても変わってきます)。
CMYKのカラー印刷を銀インキの上に重ねて刷っているので、銀後刷りよりカラー印刷の色味がはっきりと出て鮮やかな印象です。
CMYKのインキは濡れた銀インキの上に重ねて刷っているため、通常のカラー印刷よりインキのノリは悪いです。
さらに、用紙別に見てみます。
それぞれの用紙で違った風合いが見れました。特に面白かったのは、色上質紙(黒)への印刷。
CMYを下に印刷した場合、その色の再現が良く無いために、
銀を上に重ねる際ほとんど色差が出ないという結果になりました。
刷り順・用紙別共に、どの印刷結果も魅力的な結果ではありましたが、今回は
CMYKの色が、不透明なイメージのある銀インキに透けている様子を
実際に見ていただきたいと思います。
【①銀後刷り】【コート紙】の組み合わせを
皆様にお渡しする検証資料として制作します。
印刷結果
銀インキはアルミニウムなどの金属を色材としているインキなので
下の色が全く透けないと思われがちですが、
今回のように下に他のインキが印刷されている場合には
銀インキの着肉が変わってくるため、下の色がうっすら透けて
ふんわり綺麗なメタリックの
グラデーションになります。
基本的に銀色を表現する際には、下の絵柄は白抜きにします。
そうすることで銀インキの着肉が良くなり※、しっかり不透明な銀色になります。
※銀インキが用紙の繊維に絡むようなイメージです
事前模索結果のところでも触れていますが、
銀を先刷りした後にカラー印刷を乗せると
今回お渡しする検証資料よりも若干カラー感が
増してビビットに表現されます。
印刷をご依頼の方は、こちらも参考になさってください。
※進行する印刷所での事前の本機校正をおすすめします。
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