2色印刷|2色分解とダブルトーン【印刷研究所コラム】
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vol.01 2色印刷

更新日:5月9日

一般的なオフセットのカラー印刷は、CMYKの4色を掛け合わせて表現します。

今回お話する2色印刷は、CMYKの中の2色、もしくは特色2色で表現する印刷手法です。


上手に使うことで、4色のプロセスカラー印刷よりも効果的な表現の印刷物を制作することができます。また4色を2色にする場合、印刷代・刷版代を削減でき、ローコストの印刷が可能になります。



2種類の2色印刷。


その1:2色分解

CMYKのうち任意の2版を使用して異なる2色のインキを刷り重ねる印刷手法。

画像にもよりますが、CMYKのうちC版とM版を使用することが多いです。

デジタル印刷が普及する以前には、単色では難しい “擬似的なカラー印刷” として、特にチラシなどのローコスト案件で多用されてきました。

2色分解

上の画像は各版(C/M/Y)を各インキの色のままで表現した例ですが、違う色の特色インキに置き換えて印刷することで、イメージに近づけることもできます。



その2:ダブルトーン

モノクロの画像からスクリーン角度・コントラストが違う2種の版を制作し、異なる2色のインキを刷り重ねる印刷手法。

ダブルトーンは、1色で印刷するよりも豊かな階調が表現できるのが特徴です。

(海外ではデュオトーンとも呼ばれます)

ダブルトーン


2色分解で、擬似カラー印刷を。


最近ではあまり見なくなりましたが、ローコスト案件でどうしても色数を減らしたい場合などに使われてきたこの手法。

画像の絵柄によって使用する特色をうまく選ぶのが成功の秘訣です。


こちらのすき焼きの画像で検証します。

分版

CMYKから選択した2版の組み合わせを6パターン用意し、それぞれの組み合わせが実際にどのように見えるかを検証してみました。



選択した2版そのままの色の2色分解(上)と、

選択した2版に緑色と赤色の特色を置き換えた2色分解(下)です。

2色分解

画像にもよるので一概には言えませんが、こちらの画像でも前述した通り C版+M版のものがバランスが良く見えます。4色カラーで見た時に、見た目で黄色が多く使われている絵柄などを除いては、基本的にC版+M版を使うと良いと思います。それ以外の場合は、Y版にはコントラストがない場合が多いので色が偏る傾向にあります。


細かく見てみます。

C版+M版では野菜が良く表現されています。

それに比べて肉はK版+M版の方が美味しそうに表現されています。

2色分解

このように、版と色の組み合わせによって得意な表現が違ってくるため、

例えばスーパーのチラシを2色で制作する場合、

野菜類が多く写っている画像では緑(C版)と赤(M版)などを、

肉類が写っている画像ではグレー(K版)と赤(M版)などを選ぶと良いでしょう。



ダブルトーンで、モノクロ写真の豊かな階調表現を。


モノクロ写真を1色で印刷するとどうも物足りない、そんな時に使えるこの手法。

シャドー部分のディテールを繊細に表現したい場合や、全体を階調豊かに表現したい場合などに有効です。


例えば、主版としてコントラスト強めな版を用意し、もう1版はコントラストを弱めに設計し狙った階調を表現できるように調整した版を用意。主版を黒色、もう1版をグレーや若干色味のある特色(紺色、茶色、パール調など)で印刷することによって、モノクロ1色の写真を、狙ったイメージに近づけることができます。


ダブルトーン


ちなみに、写真集など、作品として表現精度を高める場合、トリプルトーン(3色)を使用する場合もあります。




余談|ダブルトーンの網角


オフセット印刷では、通常の4色カラー印刷と同じく、2色印刷でもモアレ対策として網角には注意する必要があります。

基調となるスミ版(黒)は45°、もう一方の版はそこから30°角度をずらした網角にすると、印刷時にモアレが出にくくなります。

網角の設定は印刷所で製版時に行います。制作データで設定するものではありません。



 

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